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Trout bum diaries 朱鞠内湖のイトウ:夢の魚が泳ぐ、湖。No.1

朱鞠内湖no.28(H27.10.21_25)

季節は駆け抜け、晩秋から初冬へ。
北海道は朱鞠内湖へ、イトウとアメマスに出会う旅に出かけた。

朱鞠内湖no.1(H27.10.21_25)

ずっと先まで見渡せる場所に、今朝は辿りつく。
朱鞠内湖は僕にとって、夢の魚が泳ぐ湖だ。

その朱鞠内湖であるが、どうやら最盛期は春であるらしい。
ただ、それは沢山の魚を釣ることに限定して言えばのこと。

魚のコンディションから言えば、産卵の絡まない秋が素晴らしい。
まどろむような湖面に雪が降って、そんな幻想的な景色で魚釣りができれば、と淡い期待もあった。
何より、自分で巻いた不格好な毛バリで釣れてくれたならば、言うことない。

今回はさすがにノーフィッシュを覚悟していた。
その分、単に釣りではなく、釣りのある旅を思いっきり楽しんでやろうと思っていた。
国土地理院の縮尺図をマップケースに詰め込んで、あーでもないこーでもないと戦略を考える。
こういった時間が大好きだ。

 

朱鞠内湖no.3(H27.10.21_25)

桜木町から京急で羽田に向かい、そこから飛行機で旭川へ。
旭川空港からはレンタカーで2時間弱のドライブで目的地にたどり着く。

午後2時、朱鞠内湖へ到着。
すっかり木々の紅葉も風に持ち去られてしまっていた。
どこか寂し気な湖。人造湖であるが、時を経た湖は天然のそれのようにも見える。

展望台に車を止めて少しだけ歩いてみる。
気温は10℃を少し下回る程度。まだフリース一枚でも大丈夫。

 

朱鞠内湖no.8(H27.10.21_25)

朱鞠内は日本最寒の地。
秋は足早に過ぎ去り、やがて極寒の風が吹き荒れる冬がやってくる。

 

朱鞠内湖no.5(H27.10.21_25)

これから4日間お世話になる、レイクハウス朱鞠内へ立ち寄る。
湖畔からは歩いても5分ぐらい。少し高台に建ち、ここから湖を見渡すことができる。
手作り感満載の木製立て看板。ポップアートか。

 

朱鞠内湖no.4(H27.10.21_25)

こちらは、エントランスに掲げられたイラスト。
赤いカヌーでイトウを釣る姿が描かれている。
イトウは釣り人とのつながりが大きい。それは保護という意味でのつながり。

 

朱鞠内湖no.6(H27.10.21_25)

芦ノ湖にもあった、つりけんくん。
1日分の漁協券を購入しようとしたところ、「1ヵ月券のほうがお得ですよ!」と、丁寧に教えていただいた。
だから今回は、事務所で1カ月分の遊漁券を購入した。

漁業権というのは、本来獲ることを目的としている。
だから漁業権の中でキャッチ&リリースを義務化するというのは、とても画期的なことだ。
獲らない(殺さない)けれども、イトウに関わっていられるのはアングラーである。

さらに、シングルバーブレスフックの義務化も面白い。
リリースによる生存率が少しでも高まる可能性があるのならば、それらを一つ一つやっていくしかない。
釣りをさせてもらいながら、楽しませてもらいながら、魚の数を増やしていく工夫。
漁業の皆さまをはじめ、地元の方々の努力には本当に頭が下がる。

人に迷惑をかけず、こういった貴重な魚を釣ることができるフィールドは思いのほか少ないと思う。
たとえ釣れる確率が高いとしても、グレーゾーンのフィールドで、弱ったサカナ相手の釣りはしたくない。
逆に、田辺哲男プロの影響もあるが、メジャーフィールドで、自分のチカラで釣ることへの楽しみを、僕は感じている。

 

朱鞠内湖no.9(H27.10.21_25)

初日は、ほとんど釣りをしなかった。
漁協やキャンプ場にお邪魔して、現地の方の話を色々聞かせていただいた。
こういった旅先で出会う人と、お話するのが僕は大好きだ。

 

朱鞠内湖no.10(H27.10.21_25)

夕まずめだけ、キャンプ場の前からルアーを投げてみた。
ノーバイト、ノーフィッシュであったものの、ワカサギの存在を確認できる。
使ったルアーはシュガーディープのショートビル。
特にルアーにこだわりがあるわけではない。ボックスを眺めて、手頃なのを選んでチョイスする。

 

朱鞠内湖no.11(H27.10.21_25)

朱鞠内湖の夕暮れ、というより夕闇といったところか。
北海道の初冬の夕暮れというのは、本当に暗い。まさに真っ暗森だ。
初日は、早々に宿に入り、お風呂と美味しい食事をいただくことにした。

 

朱鞠内湖no.12(H27.10.21_25)

AM 5:15 、ボート乗り場前。
2日目は渡船サービスを利用して、沖にある島へ渡してもらう。
冬の朝は遅く、まだ薄暗い。ちなみに奥でボートを降ろしているのは杉坂プロ。
ここへ来る前にDVDはしっかり見てきた(苦笑)。

 

朱鞠内湖no.13(H27.10.21_25)

初日は、湖の奥に位置する島へ岸付けしてもらった。
ここ数日、この島には人が上がっておらず、状況は未知数とのこと。
船が去っていくと、どこかの孤島に取り残されたかのような孤独を覚える。

 

朱鞠内湖no.16(H27.10.21_25)

ただ、そんな孤独も一瞬であった。
やがて太陽が対岸の島から現れると、一気に視界が開けた。

 

朱鞠内湖no.15(H27.10.21_25)

湖面からすぐ岸際へ歩くと、白樺林にぶち当たる。
これでは、バックスペースをつかったキャスティングができないはずだ。
事前に聞いてはいたものの、予想以上に水量があり、制約が大きいと判断。
ルアーをメインにセレクトする。

 

朱鞠内湖no.19(H27.10.21_25)

早朝に釣れたのは、60cm弱のアメマスだった。
開始から1時間程度にあっさり釣れたので、少しだけ拍子抜けしてしまった。
同時に、朱鞠内の魚の綺麗さにも見入ってしまう。サイズもこの湖にしては大型だ。

 

朱鞠内湖no.20(H27.10.21_25)

早朝は無風で、しっかりとした湖流を掴むことができなかった。
移動距離を稼ぎ、シンキングディープミノーでひとつひとつ地形を確認してゆく。
どうやら、かけあがりべったりに魚は定位しているようだ。

 

朱鞠内湖no.23(H27.10.21_25)

太陽も昇り、明るくなってきたところで風も出てきた。
少しだけ水面が波立ち、細いながら潮目も見つけることが出来る。
ルアーをフローティングに変えて、探ると小型ながらアメマスが来てくれた。

 

朱鞠内湖no.24(H27.10.21_25)

ランディングネットが大きい分、魚がカワイク見える。
今年はアメマスを釣っていなかったので、ひとつひとつが素直に嬉しい。
これ以降、僕の投げている水面からは魚が遠のいた。

場所によっては、スプーンでアメマスが入れ食いになったと、前日に関東から来ていたルアーマンに聞いていた。
ただ、今回そのような状況に出くわすことはなかった。

 

朱鞠内湖no.21(H27.10.21_25)

せっかくだからと、漁協の方がワカサギ漁を見学させてくれた。
定置網を上げるのだが、これが、とても面白かった。
網の中には、ワカサギ、アメマス、ウグイ、そしてイトウも入っている。
ワカサギ以外の魚は網から出してやる、僕も手伝わせてもらったが、これが重労働だ。
貴重な体験を、ありがとうございました。

 

朱鞠内湖no.22(H27.10.21_25)

朱鞠内湖産のワカサギ。
関東のメジャーレイクなんかと比較しても、小型であることがわかる。
かつてはワカサギで有名だった北陸の桜ヶ池、近年では信州の木崎湖でもワカサギを釣ったことがあるが、魚体の透明度には見入ってしまう。

どこかに卸すわけではなく、宿泊する人への晩御飯や、お土産のサクッとワカサギになるようだ。
久々に魚を食べたいという衝動を覚えた。

 

朱鞠内湖no.25(H27.10.21_25)

島へ戻って、お昼休憩にする。
宿で事前に釣りパックを頼んでおけば、大きなおにぎり2つ、菓子パン、カップ麺にスナック類を用意してくれる。
おまけにお湯を作ることもできるので、すっかり冷え切った体にはうれしい。
それにしても、釣れないな。魚はいるはずなのに。

 

朱鞠内湖no.26(H27.10.21_25)

午後からも移動を繰り返しキャストしたものの、ノーフィッシュ。
覚悟はしていたものの、これはある意味洗礼のようにも思える。

約束の時間、PM5:00。迎えの船がきた。
夜が訪れると、また闇も深くなってゆく。

 

朱鞠内湖no.34(H27.10.21_25)

レイクハウスにはウェーダー乾燥室もある。
季節がら、ネオプレーンウェーダーの人が大半で、透湿性の生地では冷気を遮ることができない。
次回来るときは、ネオプレーンにしようと思う。

 

朱鞠内湖no.31(H27.10.21_25)

この日の夕食は、ダッチオーブンを使ったチキンと野菜。
ロケーションもよければ、ご飯も美味しい、珍しくお酒までもらう始末。
イトウは釣れなかったが、それでも十分に楽しめた1日だった。

 

朱鞠内湖no.32(H27.10.21_25)

また、レイクハウスでは土日に予約しおけば、お蕎麦が食べられる。
幌加内は全国一の蕎麦の生産地で、信州で食べるお蕎麦でも幌加内産があるほどと聞く。
スタッフにその道のプロがいるようで、蕎麦の美味しい食べ方から、美味しい蕎麦屋まで、色々と教えてもらった。
信州の蕎麦も美味しいと思っていたが、これまで食べたどの傍よりも丁寧に仕上げられた味がした。

 

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