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Trout bum diaries 然別湖 :ニジマスのドライフライ

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本州の河もいよいよ禁漁となる10月。
北海道の然別湖へ、ニジマスのドライフライゲームへ出かけました。

 

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8月17日に台風7号、21日に11号、23日に9号。
観測史上はじめて、連続の台風が北海道を襲った。北海道にかかわるトラウトアングラーであれば記憶に新しいはずだ。
被害に見舞われた方々を思うと、そんな中で釣りをさせていただくというのは気がひけるが、釣りを通して出来ることもあるのではないか。

夜の便で羽田を出発。
今回は、台風の影響で川も湖も、メチャクチャなことを地元の人から聞いていた。
予約制の然別湖もキャンセルが多くあったとのことだが、どうしても現場を見ておきたかった。

 

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今年は初夏にも然別湖を訪れていた。
その時から蝦夷梅雨というコトバが地元では聞かれた。おかしな気象の兆候は既にあったのかもしれない。

ニュースでは大きな被害ばかりがクローズアップされていたが、名もないような小さな橋が崩落しているのを見た。
川を流れる水は減ってはいたものの、水は茶色。上流から根こそぎ流された大木が河原に横たわっている。
流心を登るはずの白ザケが、増水したアスファルトにうちあげらている光景をみたアングラーもいた。

街も人も、自然も。本当の回復というのは時間がかかるものだと思う。
訪れて、地元でご飯をたべて、話を聞いて、そんなことぐらいしか出来なかったのだが、無関心ではなく、関わり合いを求めたい。

 

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寄り道したせいで、然別湖についたのは午後になってしまった。
秋の然別湖を訪れるのは初めてだった。

湖はすっかり濁っていた。土砂の流入が原因だろうか。
光のアタリ具合で緑や白、茶色にも見える。透明ではないのは確かだ。
久々に会うスタッフの方々から、色々と話しを聞かせていただく。

 

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濁りのせいで、ミヤベイワナの釣果は期待できないとのことだった。
婚姻色に染まったミヤベイワナが今回の対象だったのだけど、ここはニジマスへメインをシフトする。

 

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本州よりも少しだけはやく、湖面の木々には朱色が掃かれていた。
まずは、湖と魚の状況を見るため、ハーリングで流してみる。使用しているのはシングル6番ロッドにタイプ3のシンキングライン。

 

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ほどなくして#8のウィリーバーガーにきたのは、40cm程度のニジマスだった。
水の濁りばかりに気を取られ、魚が食べてくるのか心配していたが、まずは一匹。

 

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同じく、ハーリングのニジマスを追加していく。サイズは40cm前後のものがほとんど。
トレースコースは、岬回りが中心。とにかく水深変化のわかりやすい場所を攻めた。

また、フライのカラーに関しては、初夏に効いたグリーンやオリーブ系より、濁りのせいか、黒や白といったものが効果的に思えた。

 

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今回、釣行前に国土地理院から1万分の1湖沼図を購入していた。
受注生産なので時間がかかったが、湖地形の詳細が記載されている。
白黒のコピー1枚に900円もするが、情報料と考えれば、しょうがない。

地形でいうと岬の先からディープより、サンドエリアよりやはりある程度ロック絡みのほうが反応が多かった。
湖の南側半分を流し終わり、おおよその魚のいるエリアは把握できた。

初日は3時間程度しか釣りができなかったが、ハーリングでのディープの釣りには満足していた。

 

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鹿追町の宿へ向かう途中の道端。
空がとても広く感じられる。雲の輪郭がどことなく優しいのには、「ああ、もう秋かぁ」と思ってしまう。

 

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こちらは牧場のわきに飼われていた馬。
動体撮影不慣れだったけれども、良い練習と想い、チャレンジしてみた。

 

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2日目以降はドライフライ・オンリーの釣りを組み立てる。
太陽が出て、気温もあがると、昆虫達もまた森から飛び立つ。けれども飛び立った昆虫の多くは水面にスピナーフォールしてしまう。
落下昆虫を狙っているのが、シャローのニジマスだ。

初日のハーリングで把握した魚のいるエリアを中心に、シャローでクルーズしている個体をサイトで狙いうちする。

 

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18番フックに巻いたグリフィスナットで仕留めた43cmのニジマス。
頬に掃かれた艶めかしい赤が綺麗な一尾だった。

アワフキムシ、カメムシ、羽蟻、テントウムシetc
一見すると魚はグルメなように思える。けれどもニジマスは偏食だ。
その日その時に一番食べやすい昆虫だけを狙うから、食性が変化してしまい、それ以外の虫には全く目がいかなくなる。
何を食べているかわからないときに、ある程度ファジーを演出できるグリフィスナットは良いのかもしれない。

 

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シャローをクルーズしていた個体を狙い撃ち。
風がやまないと虫のハッチも期待できないのだが、凪いだ湖面でのフライラインの挙動は警戒心を高める。
バチャッ!という水切り音は致命的だ。

今回は事前に練習しておいた、アンダーハンドキャストでテンポよく打っていく。
ボートでしゃがんだ状態から体の軸をひねり、コンパクトモーションで低弾道のキャストを行う。これが功を奏した。

クルーズしている50upのニジマスを見つけたが、2時間近くかけて狙い、サイトで一度喰わせたがフックセットさせることができなかった。
フックが物凄く小さいだけに、口にかかるか否かはアングラーの腕もあるが、博打要素も強い。
また一つ、課題が見えてきた。タイイングからキャスト、フッキングまで今一度見直したい。

 

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今回のタックル。
8.6フィートのシングルハンド#5に、ラインはオーバーヘッド&ディー(OH&D)#5。それにフジノのナイロンリーダー12feetを継いでさらいティペットを2feet足す。
このフジノのリーダーは僕のお気に入り。テーパー設計が素晴らしく、特にアンダーハンドで理想的なターンを演出してくれる、フィクサーだ。
フライは12#~#18サイズのドライフライを用いるが、ティペットが太いと簡単見切られてしまう。6Xまで下げたが、魚のサイズを考えれば、それ以上は危険だろう。

ハーリング用では、シングルハンド#6+オーバーヘッド&ディー(OH&D)#6(シンクレート1/2と2/3)+フロロリーダー9feet+#8ウィーリーバーガー。

 

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釣果だけでいえば、薄氷の勝利といったところか。
だが、秋独特のドライフライの釣りに関しては、流水でのそれとは違った難しさと繊細で豪快な、面白味があった。

昨年の初夏、はじめて訪れた然別湖は、本当に自分のお気に入りの場所となった。
どうかどうか、来年また訪れる時は、少しでも回復していますように。

 

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