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Trout bum diaries 庄川:難しいサクラマスの川。

庄川2016-1

どうやら今年は全国的にサクラマスの当たり年らしい。

九頭竜川では既に600尾以上の釣果が聞かれる。
釣られた数が600なのだから、単純に考えても遡上量は1000以上ということになる。

僕の故郷である富山県庄川に関しても、この例外ではなかった。
地元の仲間から聞こえてくる情報は、どれもポジティブなものばかりであった。
それならば、ということで5月の連休を利用して、じっくり庄川に挑む事にした。

東京駅から北陸新幹線E7系に乗り、新高岡を目指す。
重いトランク、長いロッドケース。人目が気にはなるが、新幹線釣行にもそろそろ慣れてきた。

実は昨年も庄川のサクラマスに挑んでいる。
その時は4日間やって、微かなワンバイトを得たばかりだった。
苦い思いと共に、今年も庄川の河原に立つ。
そして川を目にしたとき、また嫌な記憶が蘇った。
水が無い。

 

庄川2016-2

 

昨年の庄川は、蛇が大量の水を孕んだかのようなだ暴れ河川であった。
それが今年はどういうことか。少量の水が残されただけの、風前の灯火だ。
とてもではないが、魚が遡上できるような状況ではないことは確かだった。

長い付き合いになる地元のショップや仲間から話を聞く。
今年の庄川は、たしかに4月中旬までは好調で「あった」。
例年ならば3月に増水した雪解けの水は、5月中旬までかけてゆっくりと収束してゆく。
しかし、今年は4月1日の解禁から2週間足らずの間に水が一気に減った。
この適正水量となった2週間の間に、川の各所に遡上していたサクラマスが多く釣られた。
去年は早すぎたが、今年は遅すぎた。

「一番難しいサクラマスの川」。
トラウトルアーで有名な斉藤学さんが、庄川についてそんなことを言っていた。
「そもそも庄川は水が多い時、少ない時しか無い。適正水量時に釣行を合わせるのは、遠征アングラーには至難の業だ」。
あわせて、特徴のないダラダラとした流れがこの川をより難しく感じさせる。
私のホームである魚野川は、瀬の多い川で、大きめの石もあり、ある意味分かりやすい川と思う。
一方の庄川であるが、石は小さく、目には見えない地形変化(ストラクチャ)に頼る釣りが必要になる。

状況が芳しくないからといって、「はい、そうですか」と言って帰るワケにはいかない。
減水であれ増水であれ、川にアジャストできるだけのルアーストックはあった。

考えたのは2パターンの釣り方。
使うルアーは得意のシンキングディープ。

釣り方に関していえば、下流からのフレッシュランに賭けるのが一つ。
もう一つは、各プールに取り残された“残り鱒”を狙う方法。

スレたトラウトをルアーで釣ることに関して言えば、ある程度の自信はあったので、貴重な残り鱒を釣りたかったのだが、釣り人の多さに圧倒された。
良さそうなポイントには入れ替わり人が入り、ルアーが通されていない流れはないように思えた。
仕方なく、慣れない回遊待ちの釣りをメインに組むことになった。

 

庄川2016-3
7日間。ワンバイト・ノーフィッシュ。
貴重な一尾は、2日目の中流域でヒットしたが、ドラグの調整ミスでフックセットが甘く、ランディング手前で逃してしまった。
銀影が見えていただけに、あれは大きな魚だったと、今になって思う。
ちなみにヒットルアーはチェリーブラッドの90MDS。
フロントフックに鉛を巻いて、深い底波に乗せたドリフトからの立ち上がりで勢いよく喰いついてきた。
サクラマスの生態に関しては謎な部分が多いと聞くが、僕にとってはこの魚はタヌキのような存在だ。
気まぐれで、なかなか姿を現さないでいて、ココにきてやっと尻尾を見せたのだ。
けれども、今度は掴まれた尻尾を切り離して華麗に逃げてしまった。
サクラマスはトカゲの血が混じったタヌキなのかもしれない。
3日目以降。雨によって川のコンディションが回復することを期待したが、それはなかった。
良さそうな流れを探して、照り付ける日差しの中、河原をひたすら歩き続ける。
減水で築かれた広大な石の砂漠を歩いていると、どこか初夏の季節に迷子にさせてくれるような感覚に陥る。
現実には、そんなことはなく、次の週には会社に戻らなければならないのだが。
連休の10日間をすべて使って釣りをすることも考えたが、社会復帰出来るかが怖いのでヤメタ。
逃した魚は大きいが、今度釣る魚はもっと大きいと願いたい。

 

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